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          =IT企業にだまされるな! = 
                   相模虎太郎  第9号 2004/8/5
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みなさんこんにちは。私はこのメルマガをつくっております相模の素浪人こと
相模虎太郎です。

私は約20年にわたりIT企業の営業をしていました。IT営業という今まで
お客様と最も近く接する仕事を通してみた、ITシステムの問題点を、読者の
方と一緒に考えていきたいと思っています。

SEが書いたものとは違い、コンピュータシステム初心者の方にもわかるよう
に簡単な言葉で書いていきます。しかし、問題の本質はするどく突いていきた
いと思っています。

前回に引続き、実際の私の体験をもとにして、多額の費用と開発工数をかけた
CRM、SFAシステムが、なぜうまく機能していかなかったのかを考えてい
こうと思います。

何とこのIT企業では、このシステムを導入したことにより、クレームはゼロ
になり、商談勝率は100%になりました。

しかし、実態はクレームは相変わらず多く、商談も勝ったり負けたりでした。

つまり、CRM、SFAの効果(見かけ上の)と実態が乖離していたのです。

当初、CRMもSFAも情報を社員全員で共有し、会社内の風通しを良くして
業務改善をはかり、顧客満足度の向上をめざしたものでした。

しかし、いつの間にかシステムには、耳障りの良い都合の良い話しか集まらな
くなってしまったのです。

このお話は、1995年から2000年頃までの、グループウエア製品が本格
的に広まるようになり、CRM、SFAが注目されはじめた頃の、ある大手I
T企業が舞台です。

この企業は、全国展開をしており、営業(私がいた部署)、SE(プログラム)
CE(故障修理)コールセンター、仕入れ、総務、人事、経理などのたくさん
の部署がありました。

少し古い話ではありますが、ITシステムを構築、運用するためにはどのよう
にするべきかを考えると、現在でも大いに参考になることが多いと思います。

それでは第9号をはじめます。

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まずは前回のおさらいです。

◆CRM、SFAシステムの運用◆

=情報を共有したら社内は混乱=

社長の決断によりSFAへの日報入力がはじまりました。

大きなプロジェクトは企業のトップが音頭をとらないと、はじまりません。

ましてや、SFAのように今までKKD(カン、経験、度胸)とよばれるよう
な仕事のやり方をしてきたものを、科学的な分析に基づいて仕事を進めるよう
にしようという場合はなおさらです。

この部分は大企業も中小企業もかわりません。

しかし、これをどのように運用したらば良いのかが、誰もわかっていませんで
した。

社長から営業員に日報を必ず入力するようにさせたから、それを見て、気がつ
いたことがあったら対応するようにと漠然と言われただけなのですから、無理
もありません。

営業日報を誰でも見れるために混乱がおきました。

今まで営業日報は営業員が営業の課長、ないしは部長に対して書いていたもの
です。

同じ営業の部署内なので、上司と部下で口頭ベースでコミュニケーションが取
れていることも多く、営業日報に細かく事情を書かなくてもある程度状況がわ
かりました。

しかし、他の部門の人は細かい内容までわかりません。書いてあることが全て
です。

そのため、他の部門の人が詳しい事情をわからずに、営業に苦情をいってくる
ようなことも起き始めました。

こうなると営業日報を詳しく入力しておかなければならないので、今までは数
分で書いていた日報も何十分もかかるようになりました。

これもかなり営業員にとってはつらいですが、まだ我慢できなくもありません。

しかし、役職者から事情がわからずに営業員に苦情が来ると大変です。

当時の役職者の中には、年をとって頭が固くなっている上に、自分勝手な固定
観念と信念を持っていて、新しい現場の状況が全く理解できず、状況を説明す
るだけでも大変な作業になってしまう場合も多々ありました。

このような人は営業日報に書いてある報告が、自分の固定観念や信念と違うと
営業日報に書いてある報告内容自体が、間違っていると思って苦情を言ってき
ます。

この人はよくこのようなことをよく言っていました。

”百聞は一見にしかず。”と言うが”百見は一聞にしかず。”という言葉を知
っているか。正しい考えや知識を持っている人間は、見に行かなくても少し話
を聞いただけでも物事がわかるのだ。

正しい考えや知識など、自分自身が勝手に思い込んでいるだけです。

だから、営業日報の状況の報告自体を誤っているから変えろといってくるのです。

営業の現場はただでさえ忙しいのに、こんなバカな偉い人と付き合うのがめん
どくさいので、あまり刺激をするようなことはだんだん入力しなくなりました。

ここまでが前回のお話でした。

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今回の本題に移りたいと思います。

◆CRM、SFAシステムの運用◆

=自分の権力を振回す役員=

自分の強い観念と信念を持っていることは悪いことではありません。
ある程度これがなければリーダーシップは取れません。

しかし、現実を直視できなければ間違った方向に、すすんでしまいます。

本当に困りものでしたが、もっと困ったのが自分の権力を振回す役員でした。

営業日報を見て、以前自分が担当していたり、懇意にしていたお客様で何かあ
ると、すぐに営業や関係部署に連絡が入り、至急で対応するようにと言ってく
るのです。

実際に重大なトラブルならば至急で対応しなければなりません。

しかし、それほど大きな問題でもない時に、至急で対応をするように言ってこ
られても、他にも仕事がたくさん入っているのを押しのけて、対応しなければ
ならず大変困りました。

しかも、その役員の職務は、全くこのような指示を出す立場にない職務です。

こうなると社内の指揮系統は目茶苦茶です。

一応、担当の部署の者も職務が違うとはいえ役員なので、言ってきたことにし
ぶしぶ従うしかありません。

対応はしましたが、仕事の段取りやスケジュールが急にがらっと変わってしま
うのですから、現場はたまりません。

その役員に対して、部門長を通してこのようなことはやめて欲しいということ
を言ってはみましたが、役員の方が偉いのでどうすることもできません。

そして最後は、この役員が関わっているお客様に関する営業日報に、悪い事が
書いてあるからいけないのだ。ということで、営業日報に問題になりそうなも
のを書かないようにするということが暗黙のうちに決まっていきました。

今回はここでおしましにします。

次回もこの続きを書きたいと思います。

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 【編集後記】 

第9号の発行です。

権力を振回す人はどこにでもいます。

しかし、このようなことをされては現場はたまりません。

このような会社の指揮系統を無視する行為は、社会人としての自覚がなくなっ
ている行為です。

CRMやSFAはトップダウンの業務改善だと言われますが、このようなトッ
プダウンでは失敗のもとです。

CRMやSFAを導入する時は企業のトップの”社会人としてのしつけ”も重
要です。

次回もこの続きを書いていきたいと思います。今後もよろしくお願いします。
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今回も、最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。
感想や、お便り頂けるとほんとにうれしいです。s_suronin@yahoo.co.jp
きびしいお話でも耳をかたむけていくつもりです。
私も読者の方々と一緒に、このメルマガを育てて生きたいと思っています。

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