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          =IT企業にだまされるな! = 
                   相模虎太郎 第20号 2004/10/28
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みなさんこんにちは。私はこのメルマガをつくっております相模の素浪人こと
相模虎太郎です。

私は約20年にわたりIT企業の営業をしていました。IT営業という今まで
お客様と最も近く接する仕事を通してみた、ITシステムの問題点を、読者の
方と一緒に考えていきたいと思っています。

SEが書いたものとは違い、コンピュータシステム初心者の方にもわかるよう
に簡単な言葉で書いていきます。しかし、問題の本質はするどく突いていきた
いと思っています。

前回に引続き、実際の私の体験をもとにして、多額の費用と開発工数をかけた
CRM、SFAシステムが、なぜうまく機能していかなかったのかを考えてい
こうと思います。

何とこのIT企業では、このシステムを導入したことにより、クレームはゼロ
になり、商談勝率は100%になりました。

しかし、実態はクレームは相変わらず多く、商談も勝ったり負けたりでした。

つまり、CRM、SFAの効果(見かけ上の)と実態が乖離していたのです。

当初、CRMもSFAも情報を社員全員で共有し、会社内の風通しを良くして
業務改善をはかり、顧客満足度の向上をめざしたものでした。

しかし、いつの間にかシステムには、耳障りの良い都合の良い話しか集まらな
くなってしまったのです。

このお話は、1995年から2000年頃までの、グループウエア製品が本格
的に広まるようになり、CRM、SFAが注目されはじめた頃の、ある大手I
T企業が舞台です。

この企業は、全国展開をしており、営業(私がいた部署)、SE(プログラム)
CE(故障修理)コールセンター、仕入れ、総務、人事、経理などのたくさん
の部署がありました。

少し古い話ではありますが、ITシステムを構築、運用するためにはどのよう
にするべきかを考えると、現在でも大いに参考になることが多いと思います。

それでは第20号をはじめます。

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まずは前回のおさらいです。

◆IT企業にできること◆

=IT技術は使う人が共通の明確なイメージを持つことが重要=

SFAではシステムを利用する目的、目標、手段を、誰もが明確に共通にイメ
ージをすることができていたでしょうか?

当初、CRMもSFAも情報を社員全員で共有し、会社内の風通しを良くして
業務改善をはかり、顧客満足度の向上をめざしたものでした。

まず、なぜ、情報を社員全員で共有しなければならないのでしょうか?

これは顧客が何を望んでいるか、何を望んでいないかをはっきり明確に、会社
側がわかっていないと、ニーズがないものを一生懸命製造したり、ニーズがあ
るのに、在庫が無い、といったことになるからです。

しかも、一部の人だけが顧客のニーズをわかっているだけでは、会社全体とし
てのチカラにはなりまぜん。

製造業では、よく製販一体ということが言われますが、製造する側と販売する
側が、一体でないと、お客様に近い販売員からの顧客ニーズの情報が、お客様
に遠い、製造する側に伝わらず、ニーズの無いものをつくってしまったり、ニ
ーズがあるものを作らなかったりしてしまうからです。

しかし、私も製造業のサプライチェーンマネジメントのシステムを手がけたこ
とがありますが、どこの会社もこれは言うはやすし、行うは難しです。

だいたいどこの会社も営業は、市場にニーズがあろうが、なかろうが、どんな
商品でも売ってくるのがあたりまえだと思っています。

そして、営業にとってノルマの数字は絶対で、石にかじりついても達成しなけ
ればならないものです。

だから市場にニーズがない商品を扱っていたとしても、目標の数字を達成でき
ませんと言うことは、自分で会社にとって不要な人材ですと宣言するようなも
のなのです。

また、製造する工場側も自分達の作っている製品が、お客様のニーズを反映し
たものではないので売上が伸びませんとは、口が裂けても言えません。

こちらもそのようなことを言えば、同じようにリストラの道が待っているから
です。

だから製販会議でも、絶対に販売側から目標数値を下回るような発言はありま
せんし、製造側も製品の在庫がたまったからといって、生産を下げるようなこ
とは言いだしません。

このようなことを避けるために、お客様から遠い部門の人たちでも、SFAシ
ステムにある生の営業日報の情報を見れる様にして、すばやくお客様のニーズ
をつかまえて、会社としてビジネスチャンスを的確にとらえようというわけで
す。

しかし、これも非常にネガティブな感じの悪いイメージです。

なぜなら、営業側が一方的に情報を開示して、製造側は情報を開示していない
からです。

ここで風通しをよくするというキーワードが出てきます。

ここまでが前回のお話でした。

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今回の本題に移りたいと思います。

◆IT企業にできること◆

=ITシステムは利用する人全員がメリットを感じることが重要=

会社という組織の中では、情報をある程度クローズする必要はあります。

しかし、片方が一方的に情報を開示して、一方は情報を開示しないのでは、フ
ェアではありません。

営業であっても、製造であっても必要な情報はお互いが開示して、はじめて、
製販一体は成立つのです。

これはその他にもあてはまります。

一方的に営業員には、営業日報をシステムに入力させているにもかかわらず、
マネージャーや会社上層部の人たちは、毎日何をやっているのか一般の社員に
公開しないのでは、不公平です。

特に会社の業績が悪くなった時など、会社の上層部が社員のシリをたたいても
逆に不満が蓄積され、社員のモチベーションが下がってかえって業績悪化を招
きます。

SFAが機能しない最大の原因は、会社のマネージャーや上層部の人たちが、
何をやっているのかが見えないにもかかわらず、営業である自分達だけ、情報
公開を迫られるからです。

そしてそれを基にして、普段何をやっているのかわからない、マネージャーや
上層部の人たちに、”仕事がなっていない!”などと言われては、不満ばかり
がつのります。

こうしたことを解決するためには、SFAシステムに、営業ばかりではなく、
部門、役職を問わず、社長も含めてSFAシステムに日報を入力するようにす
るのです。

このようにすることにより、会社の全員が、何をやっているかがわかります。

そしてこれならば、社員全員がフェアな環境にいるという意識がもてます。

このようなこと言うと、特に年配のマネージャーや上層部の人の中には、非常
に抵抗する人もいると思われます。

”めんどくさい!””この年でこんなことができるか!”などなど

しかし、この”めんどくさい”ことを営業員に要求しているのですから、自分
もやって見せなければ人はついてきません。

本当に情報を社員全員で共有し、会社内の風通しを良くして、業務改善をはか
り、顧客満足度の向上をめざすのなら絶対に必要なことです。

SFAシステムに、社長から一般の社員まで、会社の全員が、情報を入力する
ようにすれば、本当の情報共有になるのです。

今回はここでおしまいにします。

次回もこの続きを書きたいと思います。

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 【編集後記】 

第20号の発行です。

一方がメリットを感じ、一方はメリットを感じないのでは何事もうまくいきま
せん。

ITシステムに限ったことではありませんが、今までのITシステムは、何か
の犠牲の上に成立っていたし、今もその傾向があることも確かです。

今回取り上げた、CRM、SFAシステムで、自分の日常の仕事ぶりを社員全
員に、公開してしまえば、このような不満は少なくなるでしょう。

しかし、そうするためには、本当の意識改革、社風改善が必要です。

そのための第一歩として、部下を呼び捨てにしたりせず、また、一般社員も、
社長に対しても役職名をつけず、お互いに”さん”で呼び合うような、社風に
しなければなりません。

これだけでは、まだまだですが、最初の一歩はここからだと思います。

次回、CRM、SFAシステムについて、IT企業が出来ることをまとめたい
と思います。

今後もよろしくお願いします。
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今回も、最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。
感想や、お便り頂けるとほんとにうれしいです。
メール:s_suronin@yahoo.co.jp
きびしいお話でも耳をかたむけていくつもりです。
私も読者の方々と一緒に、このメルマガを育てて生きたいと思っています。

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編集・発行:相模虎太郎
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