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          =IT企業にだまされるな! = 
                   相模虎太郎 第14号 2004/9/9
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みなさんこんにちは。私はこのメルマガをつくっております相模の素浪人こと
相模虎太郎です。

私は約20年にわたりIT企業の営業をしていました。IT営業という今まで
お客様と最も近く接する仕事を通してみた、ITシステムの問題点を、読者の
方と一緒に考えていきたいと思っています。

SEが書いたものとは違い、コンピュータシステム初心者の方にもわかるよう
に簡単な言葉で書いていきます。しかし、問題の本質はするどく突いていきた
いと思っています。

前回に引続き、実際の私の体験をもとにして、多額の費用と開発工数をかけた
CRM、SFAシステムが、なぜうまく機能していかなかったのかを考えてい
こうと思います。

何とこのIT企業では、このシステムを導入したことにより、クレームはゼロ
になり、商談勝率は100%になりました。

しかし、実態はクレームは相変わらず多く、商談も勝ったり負けたりでした。

つまり、CRM、SFAの効果(見かけ上の)と実態が乖離していたのです。

当初、CRMもSFAも情報を社員全員で共有し、会社内の風通しを良くして
業務改善をはかり、顧客満足度の向上をめざしたものでした。

しかし、いつの間にかシステムには、耳障りの良い都合の良い話しか集まらな
くなってしまったのです。

このお話は、1995年から2000年頃までの、グループウエア製品が本格
的に広まるようになり、CRM、SFAが注目されはじめた頃の、ある大手I
T企業が舞台です。

この企業は、全国展開をしており、営業(私がいた部署)、SE(プログラム)
CE(故障修理)コールセンター、仕入れ、総務、人事、経理などのたくさん
の部署がありました。

少し古い話ではありますが、ITシステムを構築、運用するためにはどのよう
にするべきかを考えると、現在でも大いに参考になることが多いと思います。

それでは第14号をはじめます。

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まずは前回のおさらいです。

◆CRM、SFAシステムについての問題点の整理◆

=今までの問題点を振り返ってみましょう=

話はまだ続くのですが、SFAの営業日報にクレームを入力しなくなるまでの
いきさつをお話しましたので、一段落をつける意味で問題点を整理したいと思
います。

CRMもSFAも本来の目的は、顧客からの良い情報も、悪い情報も全ての情
報を社員全員で共有し、会社内の風通しを良くして業務改善をはかり、顧客満
足度の向上をめざすはずのITシステムです。

CRMもSFAもそこから得られる情報をもとに、顧客のニーズにあった新製
品やサービスをつくったりするための、IT技術を利用したツールなのです。

以前もお話したようにCRMシステムには障害情報、メーカーからのバグ情報や、
SEの裏技情報なども蓄積されて、障害対応に関しては、効果の上がるものに
なっていました。

しかし、SFAに関しては悪い情報が全く入らなくなったのです。

この違いはなんだったのでしょうか?

同じようなITシステムですが、会社上層部の考えに大きな考え違いがあったの
です。

それはCRMはお客様からの障害情報を管理するシステムと考え、SFAシス
テムを一般の営業員を監視するツールと考えてしまったことです。

すなわちSFAシステムは営業員の仕事ぶりを監視して、注意を促す(悪く言
うと営業のシリをたたくための)ツールと考えてしまったのです。

ですから最初から現場の営業員はSFAシステムをうっとうしく思っていたの
です。

それでも社長の命令で営業員に強制的にSFAシステムを使うようにさせまし
たが、今度はクレームなどの問題がSFAシステムに上がってきた時に、どの
ように対応するかが決まっていないため、混乱が起きました。

そして最後は

"クレームを無くすことが良いことだ。"

としてしまったことが最大の根本的な間違いです。

クレームなどどんなに改善を行っていても必ずあるものです。そのクレームを
解決することによって会社は発展するのです。

その会社を発展させるための情報を無くそうとしてしまったのです。

これは大きな間違いです。

そして、マネージャー達はクレームを解決するための能力も労力もなかったこと
で、クレームがあがった顧客を担当している営業員に対して、

会社内の権力をかさに

”何やってるんだ!バカヤロウ!”の連呼になってしまい、

そして、最後は”SFAシステムにクレームを入力するな!”となってしまっ
たのです。

ここまでが前回のお話でした。

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今回の本題に移りたいと思います。

◆CRM、SFAシステムについての問題点の整理◆

=なぜCRMには有効な情報が集まったのか?=

SFAには悪い情報は一切入らなくなってしまいました。

常に”商談には勝った!””お客さんは喜んでいる”情報ばかりになってしま
いました。

一方、CRMシステムの方は障害情報や、メーカーからのバグ情報、SEの裏
技情報なども蓄積されて、障害対応に関しては、効果の上がるものになってい
ました。

この差は何だったのかを考えてみたいと思います。

まず、CRMシステムは障害受付のコールセンター業務と連動しています。

お客様からの障害の情報が入ってくると、オペレーターは蓄積されている障害
データベースにアクセスします。

そこにある障害データベースを基にして、障害対応策をお客様にお伝えします。

ここで扱われている情報は、悪い不良部品情報やバグ情報であっても、ある意
味、自社の社員に責任のある情報ではありません。

どちらかと言えば、ハードウエアやソフトウエアを作っている、メーカー側の
責任の情報です。

ですから悪い情報であっても、遠慮なくデータベースに登録できます。

また、SEからの有効な裏技情報などは、裏技情報を提供したSEの評価をあ
げる情報です。

実際に、一度でもコンピュータを触ったことが、ある人ならば、わかると思い
ますが、マニュアルに書いてあるとおりに操作して、うまくいかないことの方
が多いと思います。

ITは簡単になったとは言いますが、こうしたことも多いため、有効な裏技情
報を提供してきたSEは、高い評価を受けるのです。

こうなるとSEはいろいろな工夫をしだします。そして、競って有効な裏技を
データベースに登録するのです。

CRMシステムでは、SFAシステムとは大違いの、利用者の高いモチベーシ
ョンになったのです。

今回はここでおしましにします。

次回もこの続きを書きたいと思います。

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 【編集後記】 

第14号の発行です。

自分に責任が来ない情報は、良い情報も、悪い情報もデータベースに蓄積され
ます。

また、自分の評価を高める情報もデータベースに蓄積されます。

しかし、自分に責任が振りかかる情報や、自分が評価されない情報はデータ
ベースに入力されません。

誰でも、責任を取らせれるために、悪い情報をわざわざ入力したりはしません。
また、評価が上がらないのがわかっていて入力の手間をかける人もいません。

良い情報も、悪い情報も、データベースに蓄積させるには工夫が必要なのです。

また、山本五十六の言葉ではありませんが、

”ほめてやらねば 人はうごかじ。”

なのです。

ここも重要なポイントです。

次回もこの続きを書いていきたいと思います。今後もよろしくお願いします。
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今回も、最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。
感想や、お便り頂けるとほんとにうれしいです。
メール:s_suronin@yahoo.co.jp
きびしいお話でも耳をかたむけていくつもりです。
私も読者の方々と一緒に、このメルマガを育てて生きたいと思っています。

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