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          =IT企業にだまされるな! = 
                   相模虎太郎 第13号 2004/9/2
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みなさんこんにちは。私はこのメルマガをつくっております相模の素浪人こと
相模虎太郎です。

私は約20年にわたりIT企業の営業をしていました。IT営業という今まで
お客様と最も近く接する仕事を通してみた、ITシステムの問題点を、読者の
方と一緒に考えていきたいと思っています。

SEが書いたものとは違い、コンピュータシステム初心者の方にもわかるよう
に簡単な言葉で書いていきます。しかし、問題の本質はするどく突いていきた
いと思っています。

前回に引続き、実際の私の体験をもとにして、多額の費用と開発工数をかけた
CRM、SFAシステムが、なぜうまく機能していかなかったのかを考えてい
こうと思います。

何とこのIT企業では、このシステムを導入したことにより、クレームはゼロ
になり、商談勝率は100%になりました。

しかし、実態はクレームは相変わらず多く、商談も勝ったり負けたりでした。

つまり、CRM、SFAの効果(見かけ上の)と実態が乖離していたのです。

当初、CRMもSFAも情報を社員全員で共有し、会社内の風通しを良くして
業務改善をはかり、顧客満足度の向上をめざしたものでした。

しかし、いつの間にかシステムには、耳障りの良い都合の良い話しか集まらな
くなってしまったのです。

このお話は、1995年から2000年頃までの、グループウエア製品が本格
的に広まるようになり、CRM、SFAが注目されはじめた頃の、ある大手I
T企業が舞台です。

この企業は、全国展開をしており、営業(私がいた部署)、SE(プログラム)
CE(故障修理)コールセンター、仕入れ、総務、人事、経理などのたくさん
の部署がありました。

少し古い話ではありますが、ITシステムを構築、運用するためにはどのよう
にするべきかを考えると、現在でも大いに参考になることが多いと思います。

それでは第13号をはじめます。

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まずは前回のおさらいです。

◆CRM、SFAシステムの運用◆

=社長も見ているんだ!=

マネージャーの仕事には部下を管理するだけでなく、お客様に直接訪問してお
客様のニーズを直に把握したり、他の部門や協力会社などに部門を代表して交
渉を行うということがあります。

しかし、当時のマネージャー達は、お客様の状況報告を部下から聞いたときに、
潜在意識的に悪い情報は聞こうとしませんでした。

前にも書きましたが、あるマネージャーは

”百聞は一見にしかず。”と言うが”百見は一聞にしかず。”という言葉を知
っているか。正しい考えや知識を持っている人間は、見に行かなくても少し話
を聞いただけでも物事がわかるのだ。

正しい考えや知識を持っているなど、誰が評価しているかと言えば、自分自身
が勝手に思い込んでいるだけです。

このような人は、
”自分は正しいことをいつもやっている。だから悪い情報などない。”
”あったとしてもそれは部下が悪いのだ。”
となってしまいます。

これは、単に自分に自信がないことを正当化しようとしているのです。

また、先程書きましたように、クレームに対処するためには多くの能力と労力
を使います。

悪い情報は聞きたくないとしても、社長命令で自分でクレーム対応しなければ
ならなくなると、クレーム対応には能力と労力が必要だと実感します。

年をとって労力が衰えている上に、能力がないのですから、うまく自分では解
決できません。実務を良く知っている部下に解決してもらうしかないのです。

そうすると自分のクレーム対応力のなさを実感して、余計クレームを避けたが
ります。

コールセンターに入ってくる障害は仕方がないとしても、営業日報に書かれ
たクレームは営業員が書かなければ良いので、ついにマネージャーたちは、

”社長も見ているんだ!こんなクレームは日報に書くな!自分で解決しろ!”

と営業員に言うようになりました。

今まで営業員達はだんだんと悪い情報は営業日報に書かないようにしてきまし
たが、マネージャーからクレーム情報の入力禁止の指示が出たのです。

もちろん公式な指示ではありませんが、公式な指示より、このようなたぐいの
非公式な指示の方が現場では徹底されるものです。

CRMもSFAも本来の目的は、顧客からの良い情報も、悪い情報も全ての情
報を社員全員で共有し、会社内の風通しを良くして業務改善をはかり、顧客満
足度の向上をめざすはずのITシステムです。

このようなことではSFAシステムが機能しません。

ここまでが前回のお話でした。

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今回の本題に移りたいと思います。

◆CRM、SFAシステムについての問題点の整理◆

=今までの問題点を振り返ってみましょう=

話はまだ続くのですが、SFAの営業日報にクレームを入力しなくなるまでの
いきさつをお話しましたので、一段落をつける意味で問題点を整理したいと思
います。

CRMもSFAも本来の目的は、顧客からの良い情報も、悪い情報も全ての情
報を社員全員で共有し、会社内の風通しを良くして業務改善をはかり、顧客満
足度の向上をめざすはずのITシステムです。

CRMもSFAもそこから得られる情報をもとに、顧客のニーズにあった新製
品やサービスをつくったりするための、IT技術を利用したツールなのです。

以前もお話したようにCRMシステムには障害情報、メーカーからのバグ情報
や、SEの裏技情報なども蓄積されて、障害対応に関しては、効果の上がるも
のになっていました。

しかし、SFAに関しては悪い情報が全く入らなくなったのです。

この違いはなんだったのでしょうか?

同じようなITシステムですが、会社上層部の考えに大きな考え違いがあった
のです。

それはCRMはお客様からの障害情報を管理するシステムと考え、SFAシス
テムを一般の営業員を監視するツールと考えてしまったことです。

すなわちSFAシステムは営業員の仕事ぶりを監視して、注意を促す(悪く言
うと営業のシリをたたくための)ツールと考えてしまったのです。

ですから最初から現場の営業員はSFAシステムをうっとうしく思っていたの
です。

それでも社長の命令で営業員に強制的にSFAシステムを使うようにさせまし
たが、今度はクレームなどの問題がSFAシステムに上がってきた時に、どの
ように対応するかが決まっていないため、混乱が起きました。

そして最後は

"クレームを無くすことが良いことだ。"

としてしまったことが最大の根本的な間違いです。

クレームなどどんなに改善を行っていても必ずあるものです。そのクレームを
解決することによって会社は発展するのです。

その会社を発展させるための情報を無くそうとしてしまったのです。

これは大きな間違いです。

そして、マネージャー達はクレームを解決するための能力も労力もなかったこ
とで、クレームがあがった顧客を担当している営業員に対して、

会社内の権力をかさに

”何やってるんだ!バカヤロウ!”の連呼になってしまい、

そして、最後は”SFAシステムにクレームを入力するな!”となってしまっ
たのです。

今回はここでおしましにします。

次回もこの続きを書きたいと思います。

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 【編集後記】 

第13号の発行です。

今まで書いてきたことを振り返るといろいろな問題点が見えてきます。

しかし、どれもIT技術以外の要素がほとんどです。

CRMもSFAもうまく運用すれば非常に有効なITシステムです。

ITシステムは単なるツールすなわち道具です。どのように使うかを間違えて
しまったことが、失敗の最大の原因です。

次回もこの続きを書いていきたいと思います。今後もよろしくお願いします。
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今回も、最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。
感想や、お便り頂けるとほんとにうれしいです。
メール:s_suronin@yahoo.co.jp
きびしいお話でも耳をかたむけていくつもりです。
私も読者の方々と一緒に、このメルマガを育てて生きたいと思っています。

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