■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ====================================================================== =IT企業にだまされるな! = 相模虎太郎 第12号 2004/8/26 ====================================================================== ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ みなさんこんにちは。私はこのメルマガをつくっております相模の素浪人こと 相模虎太郎です。 私は約20年にわたりIT企業の営業をしていました。IT営業という今まで お客様と最も近く接する仕事を通してみた、ITシステムの問題点を、読者の 方と一緒に考えていきたいと思っています。 SEが書いたものとは違い、コンピュータシステム初心者の方にもわかるよう に簡単な言葉で書いていきます。しかし、問題の本質はするどく突いていきた いと思っています。 前回に引続き、実際の私の体験をもとにして、多額の費用と開発工数をかけた CRM、SFAシステムが、なぜうまく機能していかなかったのかを考えてい こうと思います。 何とこのIT企業では、このシステムを導入したことにより、クレームはゼロ になり、商談勝率は100%になりました。 しかし、実態はクレームは相変わらず多く、商談も勝ったり負けたりでした。 つまり、CRM、SFAの効果(見かけ上の)と実態が乖離していたのです。 当初、CRMもSFAも情報を社員全員で共有し、会社内の風通しを良くして 業務改善をはかり、顧客満足度の向上をめざしたものでした。 しかし、いつの間にかシステムには、耳障りの良い都合の良い話しか集まらな くなってしまったのです。 このお話は、1995年から2000年頃までの、グループウエア製品が本格 的に広まるようになり、CRM、SFAが注目されはじめた頃の、ある大手I T企業が舞台です。 この企業は、全国展開をしており、営業(私がいた部署)、SE(プログラム) CE(故障修理)コールセンター、仕入れ、総務、人事、経理などのたくさん の部署がありました。 少し古い話ではありますが、ITシステムを構築、運用するためにはどのよう にするべきかを考えると、現在でも大いに参考になることが多いと思います。 それでは第12号をはじめます。 ---------------------------------------------------------------------- まずは前回のおさらいです。 ◆CRM、SFAシステムの運用◆ =クレームについての取組み= 最近あるテレビ番組で、ある社長さんが、クレームは宝だとおっしゃっていま した。 このクレームを会社に反映させることにより、より良い新商品やお客様へのサ ービスが出来るようになる。だから、クレームはどんどんあげて欲しいと言っ ていました。 全くそのとおりだと思います。 そして、CRMやSFAシステムはこのような情報を収集するための、IT技 術を利用したツールなのです。 このようになっていって、はじめてCRM、SFAシステムの導入成功と言え るのです。 私もこの原稿を書くための資料を探していくうちに、この間リコール隠しが発 覚した三菱自動車工業でのCRM、SFA導入事例紹介のHPがあったので覗 いてみました。 概要紹介のなので詳細はわかりませんが、ITシステムとしてはよく出来てい るようです。 しかし、現場での運用実態についてはそこには書かれていませんでした。 どのような運用実態だったのか非常に興味があるところです。 実は私のいたIT企業のCRMもSFAもITシステムとしては何回も改良を 加え、そこそこ良いものになっていました。 ところが、結果は導入成功とはとても言えない状況になってしまったのです。 私のいたIT企業での話を続けます。 当時はまだ、年功序列の悪いところが残っていたので、昇進すれば給料があが り、仕事も部下がするので自分では仕事をしなくてよい。というように考えて いた人が多くいました。 私もあるマネージャーから、会社の金で酒やゴルフをやりたければ、働いて出 世しろ!などと言われたことがあります。 そのマネージャーは部下がお客さんをお酒に誘ったり、ゴルフにいったりした 時の交際費は、なかなか承認しなかったのに、自分で勝手に飲み食いした時の お金はどんどん交際費として落としていました。 私も出世したいと正直のところ思っていましたが、こういう考えはおかしいと 思っていました。 このような考えしか持っていないマネージャーだったので、クレーム対応など 自分で対策を考えて、行動しようなどとは思いません。 クレームに本当に対応するには、自分がお客様のところに行き、お客様の感情 の問題を解決し、現状を把握し、原因を探り、対策を立て、実行しなければな りません。 当然、解決のためには、会社内の各部署、協力会社、などなどいろいろなとこ ろと連携しなければなりませんし、場合によっては解決のために費用が発生す ることもあります。 このようなことは、マネージャークラスが本当にクレームに対応する認識を変 えて、問題解決能力を身につけなければ出来ないのです。 しかし、当時のマネージャーは社員を怒鳴りつけるしか、解決するための方法 が浮かばなかったのです。 また、担当している社員の方も何もクレームを起こしたくて、仕事をしている 訳ではありません。 確かに社員の不注意もありますが、現実はいろいろな問題が重なってクレーム は発生するのです。 それをただ、”何やっているんだ!バカヤロウ!!”の一言ではたまりません。 悪い情報はだんだんと報告しなくなりました。 今回はここでおしましにします。 ここまでが前回のお話でした。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ITシステム初心者向けホームページ 相模の素浪人 相模虎太郎 http://www61.tok2.com/home2/ssuronin/index.html 各種システム インターネット IT企業とうまくつきあうポイントなどいろいろとお話しています。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ---------------------------------------------------------------------- 今回の本題に移りたいと思います。 ◆CRM、SFAシステムの運用◆ =社長も見ているんだ!= マネージャーの仕事には部下を管理するだけでなく、お客様に直接訪問してお 客様のニーズを直に把握したり、他の部門や協力会社などに部門を代表して交 渉を行うということがあります。 しかし、当時のマネージャー達は、お客様の状況報告を部下から聞いたときに、 潜在意識的に悪い情報は聞こうとしませんでした。 前にも書きましたが、あるマネージャーは ”百聞は一見にしかず。”と言うが”百見は一聞にしかず。”という言葉を知 っているか。正しい考えや知識を持っている人間は、見に行かなくても少し話 を聞いただけでも物事がわかるのだ。 正しい考えや知識を持っているなど、誰が評価しているかと言えば、自分自身 が勝手に思い込んでいるだけです。 このような人は、 ”自分は正しいことをいつもやっている。だから悪い情報などない。” ”あったとしてもそれは部下が悪いのだ。” となってしまいます。 これは、単に自分に自信がないことを正当化しようとしているのです。 また、先程書きましたように、クレームに対処するためには多くの能力と労力 を使います。 悪い情報は聞きたくないとしても、社長命令で自分でクレーム対応しなければ ならなくなると、クレーム対応には能力と労力が必要だと実感します。 年をとって労力が衰えている上に、能力がないのですから、うまく自分では解 決できません。実務を良く知っている部下に解決してもらうしかないのです。 そうすると自分のクレーム対応力のなさを実感して、余計クレームを避けたが ります。 コールセンターに入ってくる障害は仕方がないとしても、営業日報に書かれ たクレームは営業員が書かなければ良いので、ついにマネージャーたちは、 ”社長も見ているんだ!こんなクレームは日報に書くな!自分で解決しろ!” と営業員に言うようになりました。 今まで営業員達はだんだんと悪い情報は営業日報に書かないようにしてきまし たが、マネージャーからクレーム情報の入力禁止の指示が出たのです。 もちろん公式な指示ではありませんが、公式な指示より、このようなたぐいの 非公式な指示の方が現場では徹底されるものです。 CRMもSFAも本来の目的は、顧客からの良い情報も、悪い情報も全ての情 報を社員全員で共有し、会社内の風通しを良くして業務改善をはかり、顧客満 足度の向上をめざすはずのITシステムです。 このようなことではSFAシステムが機能しません。 今回はここでおしましにします。 次回もこの続きを書きたいと思います。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ITシステム初心者向けホームページ 相模の素浪人 相模虎太郎 http://www61.tok2.com/home2/ssuronin/index.html 各種システム インターネット IT企業とうまくつきあうポイントなどいろいろとお話しています。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【編集後記】 第11号の発行です。 今回もIT技術の話は出てきません。 SFAシステムが機能しなくなるまでをお話しています。 これはITシステムが無駄な投資になってしまう要因が、IT技術の問題だけ ではないということを、読者の皆様に理解していただきたいと思い、何週もか けてお話しています。 しかも、その問題点は会社の社風といったものにも関わってくるような、非常 に根深いものがあるのです。 CRM、SFAシステムはその問題点が如実にあらわれてきます。 次回もこの続きを書いていきたいと思います。今後もよろしくお願いします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回も、最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。 感想や、お便り頂けるとほんとにうれしいです。s_suronin@yahoo.co.jp きびしいお話でも耳をかたむけていくつもりです。 私も読者の方々と一緒に、このメルマガを育てて生きたいと思っています。 ====================================================================== IT企業にだまされるな! 編集・発行:相模虎太郎 s_suronin@yahoo.co.jp 配信中止はこちら まぐまぐ版の方 http://www.mag2.com/m/0000134965.htm メルマ版の方 http://www.melma.com/mag/19/m00116919/ ※このメールマガジンにより生じる損害等について責任は負いません。 ※本メールマガジンの無断転載・無断複製を禁じます。 ====================================== 相模の素浪人 相模虎太郎=======