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          =IT企業にだまされるな! = 
                   相模虎太郎 第11号 2004/8/19
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みなさんこんにちは。私はこのメルマガをつくっております相模の素浪人こと
相模虎太郎です。

私は約20年にわたりIT企業の営業をしていました。IT営業という今まで
お客様と最も近く接する仕事を通してみた、ITシステムの問題点を、読者の
方と一緒に考えていきたいと思っています。

SEが書いたものとは違い、コンピュータシステム初心者の方にもわかるよう
に簡単な言葉で書いていきます。しかし、問題の本質はするどく突いていきた
いと思っています。

前回に引続き、実際の私の体験をもとにして、多額の費用と開発工数をかけた
CRM、SFAシステムが、なぜうまく機能していかなかったのかを考えてい
こうと思います。

何とこのIT企業では、このシステムを導入したことにより、クレームはゼロ
になり、商談勝率は100%になりました。

しかし、実態はクレームは相変わらず多く、商談も勝ったり負けたりでした。

つまり、CRM、SFAの効果(見かけ上の)と実態が乖離していたのです。

当初、CRMもSFAも情報を社員全員で共有し、会社内の風通しを良くして
業務改善をはかり、顧客満足度の向上をめざしたものでした。

しかし、いつの間にかシステムには、耳障りの良い都合の良い話しか集まらな
くなってしまったのです。

このお話は、1995年から2000年頃までの、グループウエア製品が本格
的に広まるようになり、CRM、SFAが注目されはじめた頃の、ある大手I
T企業が舞台です。

この企業は、全国展開をしており、営業(私がいた部署)、SE(プログラム)
CE(故障修理)コールセンター、仕入れ、総務、人事、経理などのたくさん
の部署がありました。

少し古い話ではありますが、ITシステムを構築、運用するためにはどのよう
にするべきかを考えると、現在でも大いに参考になることが多いと思います。

それでは第11号をはじめます。

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まずは前回のおさらいです。

◆CRM、SFAシステムの構築◆

=クレームを無くそう!=

このようなこともありましたが、まがりなりにも、営業日報は入力されるよう
になりました。

そこで社長は、次の段階としてクレームを無くし、顧客満足度(CS)をあげ
るように社長自らが旗を振り号令をかけました。

顧客満足度(CS)をあげるには、クレームに対して迅速に対応する必要があ
る(QR)ということで、CS、QR活動を行いました。

ちょうどこのころ1998年ごろから2000年ごろにかけては、いろいろな
会社でCS、QR活動が盛んに行われました。

このCS、QR活動のIT技術側からのツールとして、CRM、SFAが注目
されるようになったのです。

理論上は非常に的を得ています。

しかし、・・・しかしだったのです。

コールセンターに上がってくる障害に関しては、障害対応ノウハウが確立され
てきたので、ある程度迅速対応が(QR)できるようになったのですが、問題
はクレームの場合です。

ここで、このメルマガの障害とクレームの定義について確認しておきます。

障害というのはハードウエアが単純に故障したとか、プログラムにバグ(不具
合)があったので、うまくコンピュータが動かない状況をいっています。

クレームというのは、社員の対応が悪い。とか、納品されたハードウエアに故
障が多いとかいった、苦情をさしています。

障害もクレームの一部ではありますが、クレームは障害よりも範囲が広く、深
刻な苦情と考えてください。

当然、対応の難易度はクレームの方がはるかに高い難易度です。

お客様からのクレーム情報を社長が見つけると、すぐに側近の取締役に対応の
指示が出ます。そして、取締役から本部長、部長、担当へとその指示が下りて
きます。

これは指示系統としては正しいのですが、会社の幹部の中には、今でこそ少な
くなりましたが、当時は仕事が出来なくても年功序列で、マネージャーになっ
ている人も多くいました。

当然、このような人は現場に具体的に指示が出せる訳でもなく、ただ、社長に
早く対応するように言われて困ってしまうような状況でした。

そこで、このようなマネージャーは、唯一の自分の会社での拠り所である、会社
内での地位のみを頼りに部下にあたりちらすことになるのです。

クレームを社長が見つけてマネージャーに、対応をするように指示を出すと、マ
ネージャーは担当の社員を呼びつけて、解決策を一緒に考えるわけでもなく、
”何をやっているバカモノ!!!”と怒鳴りつけるだけでした。

そして、クレームが出たのは担当社員の仕事の取組みが甘く、スキルが低かっ
たからだ。私が迅速に対応して解決したと、社長に報告していました。

このようなマネージャーの対応は、お客様からのクレームや障害の情報を、部門
や階級を問わず共有し、社員全員で考え対応していくというCRM、SFAシス
テムの基本精神とは全くかけはなれています。

こんなことをされては社員はみんなやる気がなくなってきます。

ここまでが前回のお話でした。

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今回の本題に移りたいと思います。

◆CRM、SFAシステムの運用◆

=クレームについての取組み=

最近あるテレビ番組で、ある社長さんが、クレームは宝だとおっしゃっていま
した。

このクレームを会社に反映させることにより、より良い新商品やお客様へのサ
ービスが出来るようになる。だから、クレームはどんどんあげて欲しいと言っ
ていました。

全くそのとおりだと思います。

そして、CRMやSFAシステムはこのような情報を収集するための、IT技
術を利用したツールなのです。

このようになっていって、はじめてCRM、SFAシステムの導入成功と言え
るのです。

私もこの原稿を書くための資料を探していくうちに、この間リコール隠しが発
覚した三菱自動車工業でのCRM、SFA導入事例紹介のHPがあったので覗
いてみました。

概要紹介のなので詳細はわかりませんが、ITシステムとしてはよく出来てい
るようです。

しかし、現場での運用実態についてはそこには書かれていませんでした。
どのような運用実態だったのか非常に興味があるところです。

実は私のいたIT企業のCRMもSFAもITシステムとしては何回も改良を
加え、そこそこ良いものになっていました。

ところが、結果は導入成功とはとても言えない状況になってしまったのです。

私のいたIT企業での話を続けます。

当時はまだ、年功序列の悪いところが残っていたので、昇進すれば給料があが
り、仕事も部下がするので自分では仕事をしなくてよい。というように考えて
いた人が多くいました。

私もあるマネージャーから、会社の金で酒やゴルフをやりたければ、働いて出
世しろ!などと言われたことがあります。

そのマネージャーは部下がお客さんをお酒に誘ったり、ゴルフにいったりした
時の交際費は、なかなか承認しなかったのに、自分で勝手に飲み食いした時の
お金はどんどん交際費として落としていました。

私も出世したいと正直のところ思っていましたが、こういう考えはおかしいと
思っていました。

このような考えしか持っていないマネージャーだったので、クレーム対応など
自分で対策を考えて、行動しようなどとは思いません。

クレームに本当に対応するには、自分がお客様のところに行き、お客様の感情
の問題を解決し、現状を把握し、原因を探り、対策を立て、実行しなければな
りません。

当然、解決のためには、会社内の各部署、協力会社、などなどいろいろなとこ
ろと連携しなければなりませんし、場合によっては解決のために費用が発生す
ることもあります。

このようなことは、マネージャークラスが本当にクレームに対応する認識を変
えて、問題解決能力を身につけなければ出来ないのです。

しかし、当時のマネージャーは社員を怒鳴りつけるしか、解決するための方法
が浮かばなかったのです。

また、担当している社員の方も何もクレームを起こしたくて、仕事をしている
訳ではありません。

確かに社員の不注意もありますが、現実はいろいろな問題が重なってクレーム
は発生するのです。

それをただ、”何やっているんだ!バカヤロウ!!”の一言ではたまりません。

悪い情報はだんだんと報告しなくなりました。

今回はここでおしましにします。

次回もこの続きを書きたいと思います。

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 【編集後記】 

第11号の発行です。ついに2桁第1号に突入しました。

これも皆様のおかげです。ありがとうございます。

出世すれば権限が広がり、給料が上がり、仕事は部下がやるので減る。という
悪い年功序列はだんだんなくなってきました。

今では成果主義ということが、主流になりつつありますが、今度は成績になら
ないものはやらない。リスクの高い新分野の仕事はしない。などの弊害も出て
きてしまいました。

まだまだ過渡期の状況です。

次回もこの続きを書いていきたいと思います。今後もよろしくお願いします。
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今回も、最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。
感想や、お便り頂けるとほんとにうれしいです。
s_suronin@yahoo.co.jp
きびしいお話でも耳をかたむけていくつもりです。
私も読者の方々と一緒に、このメルマガを育てて生きたいと思っています。

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編集・発行:相模虎太郎
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