<ラヤンラヤン>

[チャーター便]
昨年は取れずに泣く泣くあきらめたラヤンラヤンである。
今年こそ、ハンマーヘッドシャークにご対面!だ。
旅行社のチャーター便は関空発なので、当日は大きな荷物を引きずり羽田空港へ。
関空行きのJL117便のチェックインをすると、大きなスーツケースやキャスターバッグを持った客が多い。
この人達も同じチャーター便でコタキナバルかな?
飛行機に乗り込むとあちらこちらに見知った顔がある。一緒に行くメンバーもいるにはいるが、「なんだかどこかで会った事があるぞこの人」タイプもいる。
関空では1箇所だけ人がゴッチャリいるのは、今回利用する旅行社がチャーター便のチェックインをしているところであった。
免税店を利用しようと思ったら、営業時間が過ぎていたのかどこも閉店していた。
えーっ、関空って24時間営業じゃないんですか?

[ひとりたりない]
無事にコタキナバルまでは着いたが、ここで合流するはずの一人が現れない。
昨夜のうちにコナキナバルに入って一泊しているはずだから、まさかホテルで寝坊しているわけないよな・・・、でも来ない。
現地旅行代理店の人に聞いてみると、なにやら書類を見直し確かに変な顔をしている・・・ような気がする。
心配しながらも、促されて小さな飛行機に乗る。
かわいそうだがおいて行ってしまおう。
「おぉー」小さな島が見えてきた。
降りると、暑い。
日本人のスタッフに設備の説明やら、部屋割りやら注意事項(島の一角にマレーシア海軍の施設があるのでそこには入っちゃいけない)やらを聞く。
数日前にシパダン島が襲われてゲストやスタッフが拉致されたままだが、海軍の島だからここなら安心と思いながらやってきた。なにかあったらドーゾヨロシク。
たまたま日本人は誘拐されていなかったので(連休の最中だったら日本人ばかりなんだろうな)、新聞・テレビでの取り扱いがほとんどない。インターネットで現地の英字新聞を見るくらいしか情報がないのだが、なにせ英語は不自由である。
何とか斜め読みして、誘拐されたなかに知った名前がいくつかあるのを発見。
エーッ!あの人が・・・夏にはシパダンに予約を入れているが、大丈夫なんだろうか?イヤ、まさかそんなに長引くとは思ってもみなかった。
コタキナバルの空港に現れなかった一人が遅れて到着。
ローカルの空港に案内され、少し遅い便でやって来たとのこと。一人で不安だったろうな・・・
ラヤンラヤンの施設はどこもきれいで、部屋は冷房完備、冷蔵庫、電話、お湯を沸かすポット、タオル、アメニティ(シャンプー・石鹸)ティッシュペーパーまでが備え付けられていた。絶海の孤島のようなこの島で・・・となんだか感動してしまった。

[コバンザメになる]
ダイビングサービスではいっぱいいっぱいの人数を取っているのだろうが、ボートの時間を少しずつずらしているので、人が溢れかえってしまうことはない。
この島に来るダイバーの多く、いやほとんど100%の狙いがハンマーであろう。
したがってリクエストされるポイントは1〜2点に絞られる。
総勢12人の私たちのグループはボート一艘貸切状態で、毎回同じポイントをリクエストした。
ガイドも負けずに毎回希望のポイントを聞いてきた。
先ずは1本目のダイビング。
ハズレ。
でもまだまだ先は長い。
ダイビングは1日3本。他にビーチでセルフダイビングもできるが、連休中はタンクチャージが間に合わないので、残タンを使って欲しいとのこと。
ただし、ビーチと呼べるような浜はなく、ボート乗り場からエントリーする。
透明度も果てしなく悪く深度もスキンに毛が生えたほどなので、積極的に潜ろうという者はいなかったが、話のタネに1本だけ潜ってみる。
着底すると細かい泥が舞上がり、すぐ隣にいるはずの仲間も見えない。
深度をみると2〜3メートルなのにすごく不安になる。
そうなると、周りどころかどっちが上でどっちが下なのかもわからなくなってくる。これって軽いパニック?
「ダメッ!上がろう」と思ったら誰かが視界に入ってきた。
すかさずコバンザメになって、くっついて行く。
わき目も振らず人ばかり見ていたので、なーんにも見つけられなかった。
ボート乗り場の下が一番きれいで、小さな魚が群れていた。最初からここにいればよかった。

[ハンマーはどうした!?]
2本目。
2日目。
1本目、2本目、まだでない。
自然が相手だから思い通りに行かないのはよーーくわかっている。
自分で決めたとは言え、連休をあて、取り難い休みを取って、高い料金を払ってわざわざ遠くまで来ているのである。
「ダメでしたね。やっぱり自然が相手ですからねー、カッカッカッ(笑)」などと鷹揚にかまえるほど人間できてないのだ。
ハンマーはどうした!?ハンマーは!?
ハンマーを呼べ!!ハンマーを!!
偽らざる私の気持ちです。
大人気ないとは思いつつ、まだ誰も見ていないのが救いといえば救いである。
今年は例年より水温が高いらしく、2〜3月には毎日のように見ることができたのだそうだ。
水温が高いと深場に行ってしまい、なかなか上がってきてくれないらしい。
そーゆーことなら明日から5℃ほど水温を下げていただいても、私決して「寒い」などと文句は言いません。
そんなこんなで、それは3日目の1本目だったが・・・
ガイドがタンクを叩いて皆の注意を引き、深場を指差す。
私にはなーんにも見えないが、コレってやっぱりアレだよな。
皆一斉に深場を目指す。
いた!ハンマーだ!すっすごい!本物だ!
しゃ写真撮らなきゃ・・・でも、遠いし、暗いし・・・一応シャッター押しとこ。
あーもっと見なくちゃ!とある意味パニック状態の私であった。
でも一応気持ちの端っこで深度を確認している。ヨシヨシ、いい子だ。
何分くらい経っただろう、一人二人と興奮状態を抜け出し、少しずつ深度を上げていく。
ハンマーの帯はまだ流れているけれど、とっても名残惜しいけれど、自分の身体も大切だし。
目はずっとハンマーを追いながらも、少しずつ深度を上げた。
棚に戻って、しばらくのんびりしてから浮上した。
誰もが満面の笑みだ。
リゾートに戻ると一番早かった。
潮抜きを兼ねてプールに浸かりながらも、皆の興奮は収まらない。
2〜3匹見たのがひとグループ、他のグループは見ていないとのこと。
子供っぽいとは思いつつも、なんだかやっぱりすごくうれしい。
そうそう、このリゾートにはプールもあって、なんとビーチタオルの貸し出しまであった。
最近プールのあるリゾートなんて行ってないから感激しちゃって。
海から帰ると、一応シャワーを浴びてから、必ずプールに浸かって潮抜きをする。
ついでにカメラもつけて、泳いだりもする。
器材をつける桶はあるものの水はほとんど入っていない状況のため、最終日にプールサイドのシャワーで流しただけ。さすがにカメラ用の桶には水が入っていたけれど、きっぱりとお湯だし、いつ変えたものやら?カメラはみんなプールで塩抜きしていたな。
ハンマーには合計3回遭遇することができた。
最初のが一番大きな群れで、見ていた時間も長かった。
2回目は群れがいなくなった後も、1匹だけがいつまでもいつまでも付いて来てみんな気持ち悪がっていた。脳天気な私としては、ずっと見ていられてちょっとうれしかったのだが。
3回目は3本目だというのに、みんなまっしぐらに潜降していった。まったく命知らずな奴等である。
あっ、私もそうか・・・
どの回も一番深くまで行ってしまった者を見つけ出していじめたが、何メートルまで行ってしまったかはここでは深く追求しないことにしておく。
幸い今のところ身体に異常はない。悪運が強いということか・・・
よいダイバーは決してこんなことしてはいけない。
本当はもっともっと会いたかったのだけれど、1度も遭遇できなかった人たちもいるらしいので贅沢は言えない。私たちのグループが一番恵まれていたようだ。その上2人は水中でイルカをしっかりと見てきた。
オキゴンドウ(だったかな?)の群れに遭遇したグループもあった。ハンマーの群れに出会うよりもずーっと珍しいらしい。

[ハコフグ号]
夕方には島の端っこのほうに夕日と鳥を見に行った。
夥しい数の鳥がいて、卵を抱いている鳥もいる。
初めての私にはものすごい数なのだが、一昨年の方が何倍も多かったそうである。
夕日も本当に美しかった。
美しい夕日をバックに男女のシルエットが海岸を散歩するなんざ最高のシチュエーションではあるが、実際のところ、蒸し暑い・鳥がうるさい・たまにはフン攻撃を受ける等あり、見た目ほどロマンチックではないようである。
じっくりは見なかったが、星も零れ落ちそうなくらい瞬いていた。夕日の中よりはこっちのほうがいいかもしれない。
食事は程よく洋風がミックスされた中華風マレー料理っていうのかな?日本人の口に良くあうと思う。
サラダや果物がたくさん出てうれしかった。
問題は水である。
ミネラルウォーターは売っている。これには何の問題もない。
コーヒー・紅茶がいつでも飲めるようになっている。大変良いのだが、水に当たり外れがある。
当たるともれなくトイレに篭らせてくれる・・・訳ではもちろんなくて、外れるとしょっぱいのである。
これには正直参ってしまった。
楽しいお休みはあっという間に過ぎてしまう。
長いと思っていたここでの休日も最後の日を迎え、島を離れる日がきてしまった。
しかし、最後まで楽しませてくれたね、このリゾートは。
飛んできた飛行機はまるで箱フグ。
本当にこれで帰るのかい?私たちは・・・
お尻の部分がパックリ開いて荷物を積み込み、荷物の間を通って乗り込む。
中は蒸し暑い。
もう1日いる3人に見送られ、ちょっぴり不安な気持ちを抱きながら離陸。
けなげにも頑張って飛んで、無事コタキナバルの空港に到着する。
そこでは恐ろしい事件が待っていた。

[まだまだ終わらない]
コタキナバルではローカルの空港に到着した。
現地旅行代理店が出迎えてくれたが、なんか変である。
間もなく、「なんか変」な理由は帰りのチャーター便が遅れていることだとわかる。
それでもその時はまだそんなに深刻に考えていなかった。
深夜3時少し前に関空に着く予定なのが何時間か遅れれば、朝着いて国内線に乗り継ぐのにちょうど良くなるぐらいにしか考えていなかった。
・・・と思ったら、もっと遅れるらしく、関空発羽田行きの便に間に合わないらしい。
帰国した日に予定を入れていた人はおおいにあせっている。
ホテルを用意してもらい、夕食に出かける。
食事はおいしかったが、飛行機の遅れのことが引っかかり心底楽しめなかった。
仮眠を取った後にロビーに集合するが、まだ使用する飛行機が着いていないとのこと。
再度部屋に戻り、朝方まで待機。
「今日中に帰れるのかな・・・」
やっと飛んだときには11時間の遅れで、新幹線に乗り継いで家に着いたのはすっかり夜だった。
そう言えば昔、「家に着くまで旅行は続いているのです。途中で気を抜いてはいけませんよ。」って学校の先生が言ってたっけ。本当にそのとおりだった。

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