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射精。
この知識は無かったが、おしっこだとは思わなかった。
自分の側に降ってきた、得体の知れない液体にたじろぐ。
息子さんは、顔を真っ赤にし、自分の身体を震わしながら
満足げな表情を浮かべている。
全て出し切ると、大きく溜息をつき
汚れた床に座り込む。
起こった現実に対処しきれず、暫く私たちは、放心状態で座っていた。
先に覚醒したのは、私の方で
慌てて掴みかけたズボンを手繰り寄せ、身につけた。
立ってから、もう1度座る気になれず
まだ上がった息で、視線を彷徨わせてる息子さんに向かって
帰ることを告げ、
玄関に向おうとした。
ドアを出る時、息子さんのかすかな声が聞こえ振り向く。
座った状態から、横に倒れるように寝そべりながら
「1人でできたよ」
と、微笑んでいる。
私は少し戸惑いながら
「よかったね」と返事し、
今度は振り向かずに玄関にむかった。
母がようやく自分の店を持つことができ
小学校1年生の2学期を終えた時点で、またも引越しすることになった。
周りに小さな下請け工場や、
田畑が残る町並み。
1階が店舗、2階が住居の小さな店舗付き住宅。
そこに越した時も、パパとは一緒に住んでなかった。
母と祖母と私の3人。
住んではないが、店にはパパの姿が見られた。
客から「マスター」と呼ばれ、母と共に店を切り盛りしている。
ある日、パパが私に言った。
「これからはパパじゃなく、マスターと呼びなさい」
一緒に居ることに慣れてきてはいたが、懐いてたわけではない。
パパという呼び名に、父親の意味を
結び付けてたわけでもないつもりだったのだが、
やはりショックだった。